すべての悩みは対人関係の悩みである
A.アドラー
豊かな人生を送るうえで、大切な人との絆を深めるほど大切なことはありません。
たとえ社会的に成功を収めたとしても、共に喜べる相手がいなければ人生は虚しいものです。
この記事では、大切な人との絆を深め、良い人間関係を長続きさせる方法についてまとめています。
あなたにとっての大切な人への関わり方を見直すきっかけになれば幸いです。
【参考文献】
自分の時間と注意を向ける
注意は愛の最も基本的な形
『グッドライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』 ロバート・ウォールディンガー マーク・シュルツ 著
大切な人との絆を深めるには、自分の時間と注意を向けることから始まります。
時間と注意とは、自分の人生そのものです。
自分の時間と注意を相手に向けることで、「あなたは私にとって価値ある存在です」と伝えることができます。
時間と注意を向けることは自身の人生の一部を相手に贈る、愛を示す行動なのです。
自分の時間と注意を向けるうえで、3つのポイントがあります。
- 大切な人に注意を向けていないことに気づく
- 過ごし方を工夫する
- 好奇心をもって接する
大切な人に注意を向けていないことに気づく
パートナーや子どもなど、身近な人ほど時間と注意を向けられていないことは往々にして起こります。
とりたてて新しいことが起きない相手だと、心が他のことにさまよい始めるからです。
日々忙しさで頭がいっぱいになっていることも要因の一つかもしれません。
たとえ毎日一緒に過ごしていても、注意を向けていなければ中身の薄い時間でしかありません。
そばにいる大切な人にこそ、時間と注意を相手に向けることを心がけましょう。
過ごし方を工夫する
大切な人とゆったり過ごせる時間を意識的にコーディネートしましょう。
たとえば、夕食にはスマホを持ち込まない、定期的に外食する日をつくる、家具を会話が弾むような配置に変える等々。
環境づくりを工夫すると、大切な人へ自然と注意を向けやすくなります。
好奇心をもって接する
長い間一緒に過ごしている相手にこそ、特別意識して好奇心をもち、相手の話をフカボリしてみましょう。
あなたが心から興味をもてば、相手は心を開いてくれ、それによって相手への理解もより深まります。
また、あなたからの好奇心は相手にも伝染します。
あなたが関心をもつほど、相手も自分により関心をもってくれることに気づくはずです。
共感しようと努める
さまざまな背景をもつ156組のカップルを被験者として集め、相手に対する不満や苛立ちを伝え合い、二人に話し合ってもらった。
『グッドライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』 ロバート・ウォールディンガー マーク・シュルツ 著
筆者らは、共感の正確性(相手の感情を正しく理解すること)が、関係への満足度の高さと相関すると予想した。
だが、もっと重要なのは共感しようとする努力だった。
理解しようとする真摯な努力をパートナーから感じた場合、理解の正確さとは関わりなく、話し合いを肯定的に受け止めていることが分かった。
上記の通り、相手のことを正確に理解すること以上に、共感しようとする努力が相手にポジティブな感情を生み、人間関係に良い影響を与えます。
たとえ正しくなくても、理解しようと努力するだけで人間関係は大きく改善されるのです。
違いを認め、話し合う
一緒に過ごす月日が長くなるほど、考えの違いは明らかになってきます。
意見が完全に一致する他者など存在しませんし、違いがあること自体はまったく自然なことです。
だからこそ、他者との違いをどのように受け止めるかが重要です。
些細な違いを重く捉えないよう心がけましょう。
些細なことを気にし過ぎると、その違和感が相手の欠点だと考えて、ますます気になることが積み重なっていきます。
一方で、不満を何でも飲み込んでしまうこともよくありません。
対立の回避は悪くないようにも思われますが、長期的にパートナーとの信頼関係が揺らぐ大きな要因になる可能性があります。
他者との親密さは、互いに理解し理解されている感覚の上で築かれるからです。
自分の感覚だけで相手を責めてしまわないよう相手を理解しようと努める姿勢で、自分の思いを丁寧に伝えることが大切です。
相手に依存しすぎない
他者とのリアルな繋がりが薄くなりつつある現代では、さまざまな人間関係から得るはずのすべてを、パートナーや恋人など特定の一人に求めようとする傾向があります。
また、「自分らしく生きる」という考え方にゆがみが生じ、自分のスタイルや自己中心的な考えを相手に押しつけるケースもあります。
あたなにとって大切な人は、あなたを幸せにするために存在するわけではありません。
互いに自立した人間として尊重し合った上で付き合っていくことが、良い人間関係を長続きさせる秘訣です。
大切な人との絆を深めるには|まとめ
私たちにできる唯一の贈り物は、自身の一部を与えることである
『グッドライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』 ロバート・ウォールディンガー マーク・シュルツ 著
大切な人との絆を深めるには、自分の時間と注意を相手に向け、心からの関心をもち続けることです。
そして、相手の気持ちに共感しようと努め、違いを認め合い、自分の思いも丁寧に伝えることが大切です。
人の考え方や感情は日々移り変わっていくものです。
なので、長く一緒にいる人との関係ほど、こまめなメンテナンスが必要です。
当たり前にそばにいる人こそゆっくり話をする時間をもち、互いの考えや気持ちを共有することを心がけましょう。
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